令和2年度 大阪大学女子大学院生優秀研究賞の表彰式が執り行われました

本学では、優秀な女子大学院生が博士後期課程進学及び将来的に研究者を志すことの後押しとなるよう、自然科学系研究科に所属し優れた研究成果を挙げた女子大学院生を表彰する「大阪大学女子大学院生優秀研究賞」を昨年度より実施しています。
本賞の令和2年度表彰式が、去る4月5日(月)に大阪大学コンベンションセンターMOホールにて執り行われました。本賞を受賞した13名の女子大学院生に表彰状と副賞の目録が手渡されました。その後、西尾総長から受賞した女子大学院生へお祝いの言葉が述べられました。

続いて、生命機能研究科の小倉もな美さんより受賞者代表の挨拶を行いました。研究成果を評価されたことの喜びと感謝とともに、将来のロールモデルとなるよう研究活動により一層邁進する決意を述べました。
最後に、この賞の創設にご尽力をいただいた本学名誉教授・元工学研究科長 豊田政男先生より、受賞者に向けて、お祝いと今後の期待の言葉が贈られました。
◆西尾総長からのメッセージ
女子大学院生優秀研究賞を受賞された皆さんに心よりお祝い申し上げます。誠におめでとうございます。この賞は、優秀な女子大学院生の博士後期課程への進学や将来的に研究者を志すことの後押しとなるよう、令和2年に創設したものです。このたび皆さんは、ご自身の優れた研究成果を高く評価され、所属研究科長より推薦を受け、厳正な審査のうえ受賞が決定いたしました。

本日、皆さんとこのように直接お会いしますと、必ずや将来の学術研究を担ってくださることを実感し、大変頼もしく感じております。皆さんもご承知のとおり、残念ながら、我が国の女性研究者の全研究者数に占める割合は、世界的に見て非常に低い状況にあります。私は「ジェンダー平等、すなわち男女協働」を多様性、ダイバーシティの要として、総長就任の翌年に大阪大学男女協働推進宣言を公表しました。男女協働社会の実現に向け、本学がこれを牽引するとともに、新たな社会的価値の創成に貢献する女性リーダーを輩出することを宣言し、これまで女性研究者の研究力向上や、研究と生活が両立できる環境の整備に取り組んで参りました。その結果、本学における女性研究者割合は向上し、全体で20パーセントを超えるまでに至りました。
しかし、まだまだ女性研究者がマイノリティであるという状況に変わりはありません。特に理系分野における女性研究者の割合が低いことは、本学に限らず、日本全体においても大きな問題となっています。皆さんのような理系を目指す女子学生が少ないことの要因の一つに、無意識の偏見、アンコンシャス・バイアスの存在が指摘されています。大阪大学では、ジェンダーに対するアンコンシャス・バイアスの克服に向けて、学部段階から全学的な取り組みを進めるとともに、女子小中高生に対し、理系分野への進学率が少しでも向上するよう支援を進めております。私が女性研究者割合の向上にこだわる理由、それは、ダイバーシティこそがイノベーションを創出する源になると信じているからです。
表彰式後に行われる、昨年度の受賞者とともに開催する研究発表会、そして4月12日に行われる女性研究者による研究発表会は、多様な領域で活躍する先輩や志を同じとする研究者と出会える貴重な機会となります。ぜひこの機会に、縦と横のネットワークを形成していただき、新たなイノベーション創出の一助になることを期待しています。そして今後、ますます研究活動に励まれ、研究者としてのキャリアパスを拓いてくださることを切に願います。
最後になりましたが、今回の女子大学院生優秀研究賞が実現しましたのも、本学のダイバーシティ推進にご尽力いただいている、大阪大学名誉教授であり元工学研究科長の豊田政男先生からのご厚情によるものです。そのことに深甚なる感謝を申し上げるとともに、皆さんの今後ますますのご活躍をお祈りして、私からの挨拶といたします。
本日は誠におめでとうございます。
◆豊田名誉教授からのメッセージ
女子大学院生優秀研究賞表彰をお祝いして
「自在に観る心」を活かす皆様への期待のメッセージ
女子大学院生優秀研究賞を受賞されました皆様にお祝い申し上げます。
本賞は,大阪大学の理系の博士課程に進学された,前途有望な女子学生の皆様を表彰しようと企画されたもので,その背景には,我が国では,理系の博士課程への女子学生の進学率が非常に少ないことにも配慮したものであります。この状況は,我が国では今後育つに違いない優秀な研究人材を失うことにもなり,決してそのままで良いといえません。そこで,一つの「きっかけ」を生み出すという意味で,このような賞を大阪大学に設けていただきました。

本日受賞されました皆様は,優秀な成績で修士課程などを修了され,博士課程に進学された皆様ですが,この賞の意味は,これまでの皆様の業績のみを評価するということでなく,今後博士課程で,理系の研究者として活躍していただける大いなる可能性を持っておられる意識高い方々であるとの認識です。そうです,本賞は,皆様への「期待」を表すものなのです。
今後の皆様の博士課程での活躍は,研究において,色々な面から「観る(観察)」ことから始まります。「観るとは,「真(まこと)」を見る目のことで,凡人にとっては容易ではなく,真理などといわれても,心眼を持ち合わせない我々にとって,易しきことではないでしょう。自由自在に深く読み,真実を見分けることなどできそうにはないでしょう。それは我々が固定観念にとらわれているからだそうだ(清水寺森貫主)。」 そうです,自在に観るは容易なことではないのだ。例えば,和時計は融通無碍。日の出から日の入りを等分にして時間を刻む和時計は合理性を持つともいわれます。ただ,この合理性とは,「こうした方が便利だから」ということで,本質的に「自在」とはいえないかも知れません。
これから研究活動に入られる皆様が,「自在」な発想で,社会を変える成果を生むような大いなる活躍を期待しつつ,お祝いの言葉とさせていただきます。
大阪大学 名誉教授・特任教授 豊田 政男
◆受賞者代表挨拶 (生命機能研究科 小倉 もな美)
この度は、大阪大学女子大学院生優秀研究賞という栄えある賞を賜りましたこと、そしてこのような素晴らしい表彰式を開催していただいたこと、心より光栄に存じます。受賞者を代表し、感謝とお礼を申し上げます。

本賞は本邦における女性研究者のさらなる躍進を目指し、その担い手となりうる女子大学院生を後押しすべく、豊田政男先生、西尾総長をはじめとした皆様のご尽力により創設されたものであると知りました。女性研究者の活躍、ダイバーシティ向上による日本学術界のさらなる発展を理念とする名誉ある本賞に、将来を担っていく存在として評価され、受賞者として選んでいただいたことは、身に余る光栄であると実感しております。受賞に際し、研究内容を評価していただけたことで、女性研究者の卵として自分に自信をもつことができ、今後の研究意欲をさらに掻き立てられています。
これまで様々な研究者の方々と関わる中で、本邦の女性研究者の割合は未だ低いレベルであり、女性研究者が活躍できる社会を整備することは急務であると身をもって感じています。本賞の受賞を励みとし、なお一層研究活動に邁進し活躍する姿を示していくことで、後に続く研究者を目指す女子学生のよき指標となれるよう、そして将来的に日本の学術界のダイバーシティ向上に寄与できるよう尽力していく所存です。
本日は誠にありがとうございました。












