令和7年度 大阪大学女子大学院生優秀研究賞の表彰式が行われました
本学では、優秀な女子大学院生が博士後期課程進学及び将来的に研究者を志すことの後押しとなるよう、自然科学系研究科に所属する優れた研究成果を挙げた女子大学院生を表彰する「大阪大学女子大学院生優秀研究賞」を令和元年度より実施しています。
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本賞の令和7年度表彰式が、去る4月21日(火)に大阪大学コンベンションセンターにて執り行われ、本賞を受賞した19名の女子大学院生に表彰状と副賞の目録が手渡されました。 |
続いて、生命機能研究科の兼光利彩子さんより受賞者代表の挨拶が行われました。研究成果を評価されたことへの喜びと感謝とともに、今後の研究活動により一層邁進する決意が述べられました。
◆熊ノ郷総長からのメッセージ
女子大学院生優秀研究賞を受賞された皆さん、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
この賞は、優秀な女子大学院生がさらに研究者を志すことの後押しとなるよう、令和元年度に創設されました。
皆さんは、優れた研究成果を上げ、それぞれの所属研究科から推薦を受け、厳正な審査を経て、この名誉ある賞を受賞されました。
皆さんの日々の努力と研究への情熱に敬意を表するとともに、この素晴らしい機会に、その成果を称えることができる喜びを感じています。
皆さんが積み重ねてこられた努力が、学問の進歩と新たな未来の創造に繋がることを確信しています。
本学では、これまで女性研究者の研究力向上や、研究環境の整備に取り組んで参りました。その結果、本学における女性研究者割合は23%までに向上しましたが、特に自然科学系においては、まだまだその比率が低い状況です。
この状況を打破し、女性研究者がその能力を最大限に発揮できる環境を構築することが、大阪大学ひいては日本の学術研究の未来にとって不可欠です。本学は、ここにいる皆さんが、後進の学生たちにとって輝かしいロールモデルとしてご活躍いただける環境の実現はもとより、未来の女性研究者を育てる「すそ野拡大」の取組などを幅広く、より一層、力強く推進していきます。
本日は、この表彰式のあと、本学の女性研究者による研究発表会、および受賞者の皆さんと女性研究者の先生方との交流会を開催いたします。交流会には、様々なご経験を積まれた教授の先生方にもご参加いただきます。先生方一同、本日の受賞者の皆さんとの交流を大変楽しみにしておられます。
「千日の勧学より一日の学匠」という言葉があるように、研究を進める上で、「人との出会い」、特に「先生、師との出会い」は重要なものです。身近なロールモデルである本学の女性研究者、そして受賞者同士の交流を通じて、互いに刺激し合い、高め合うことのできる縦・横・ななめのつながりを積極的に構築していただきたいと願っています。
また、皆さんが今回の受賞を誇りとすると同時に、新たな出発点とし、現状に満足することなく誰にも追随できない「Only One」の道を切り拓き、その探究心をさらに研ぎ澄ませて「とんがった研究」を推進していかれることを期待しています。
最後になりましたが、本日の表彰、特に副賞の授与が実現しましたのは、長年にわたり本学のダイバーシティ推進に多大なるご尽力をいただいております、大阪大学名誉教授の豊田 政男先生および西尾章治郎前総長からのご厚情によるものです。
この場をお借りして、両先生に深甚なる感謝を申し上げるとともに、皆さんの今後ますますのご活躍をお祈りして、私からの挨拶といたします。
◆受賞者代表挨拶 (兼光 利彩子)
本日、栄えある大阪大学女子大学院生優秀研究賞を賜り、受賞者を代表いたしまして、心より厚く御礼申し上げます。
本賞は、将来の学術研究を担う女性研究者の育成と、その挑戦を後押しすることを目的として創設されたと伺っております。本賞の創設にあたり多大なご寄附を賜りました豊田政男名誉教授、ならびに本賞の継続のために多大なるご支援を賜りました西尾章治郎前総長をはじめ、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。これまでの研究活動をこのような形で評価していただけたことは、今後研究を進めていく上での大きな励みとなるとともに、研究者として社会に貢献していきたいという思いを一層強くするものとなりました。
一方で、私の周囲を見渡しましても、博士課程へ進学する女子学生や、身近なロールモデルとなる女性研究者は、依然として多いとは言えません。このような賞が設けられている背景には、いまだ解決すべき課題が存在していることも実感しております。
私は今回の受賞を、単なる評価として受け取るのではなく、これからより高い専門性と研究遂行力が求められる博士課程において、さらなる飛躍を遂げるための大きな糧として活かしていきたいと考えております。そして将来的には、「女性研究者」とあえて強調されることない、誰もが自然に研究の道を志し、その能力を最大限に発揮できる社会の実現を願っております。私自身もその未来を切り拓く先駆者の一人となれるよう、本日いただいた栄誉と期待を胸に、独創的な成果を世界に発信できるよう、より一層研究に邁進してまいる所存です。
最後になりますが、これまで私を導き、支えてくださったすべての方々に心より感謝申し上げ、挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
◆令和7(2025)年度 『大阪大学女子大学院生優秀研究賞』受賞者の声
| 氏名 | 所属 | 学年 |
| 研究課題名 | ||
| 本間 芽糸 HOMMA Mei
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理学研究科 物理学専攻 | 博士後期課程1年 |
| J-PARC KOTO II 実験に向けた鉛シンチレータ積層型カロリメータの開発 | ||
| この度は、このような賞をいただき、大変光栄に存じます。日頃よりご指導いただきました南條先生をはじめ、研究室の皆様、ならびに共同研究者の皆様に深く感謝申し上げます。素粒子標準模型は多くの物理現象を説明できますが、物質優勢の宇宙や暗黒物質の存在など、未解明の問題も残されています。本研究では、新物理の探索を目的としたJ-PARC KOTO II実験に向けて、検出器の開発および性能評価を行いました。特に、粒子のエネルギーを測定するカロリメータの試作機を製作し、陽電子ビームを用いた性能評価を実施しました。その結果、目標とする分解能を達成し、KOTO II実験に有用であることを確認しました。今回の受賞を励みに、今後もより一層研究に精進してまいります。 | ||
| 八木 雪野 YAGI Yukino
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理学研究科 数学専攻 | 博士後期課程1年 |
| 超平面配置の Varchenko-Gelfand 代数 | ||
| この度は大阪大学女子大学院生優秀研究賞という栄誉ある賞をいただき、大変光栄に存じます。日々ご指導いただきました吉永正彦教授をはじめ、研究室の皆さま、本賞の推薦およびご選出に携わってくださった関係者の皆様に心より、御礼申し上げます。 私は超平面配置という、ベクトル空間内の余次元1の部分空間を集めたものを対象に研究を行っています。超平面配置は数学の様々な分野が交差する非常に豊かな世界です。私は特にVarchenko-Gelfand代数という代数的構造から、配置の幾何学的性質を明らかにすることを目標に研究に取り組んでいます。 数学は依然として女性比率が特に低い分野の一つではありますが、私自身が研究に邁進し成果を積み重ねることで、数学を志す後進の女子学生の皆様に、少しでも勇気や良い影響を与えられる存在になれればと願っております。今回の受賞を大きな励みとし、今後はさらに研究を深化させるとともに、社会への還元の可能性を模索しつつ、より一層研究に精進してまいる所存です。 |
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| 樋口 真矢 HIGUCHI Maya
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理学研究科 生物科学専攻 | 博士後期課程1年 |
| 減数分裂期組換え複合体Mei5-Sae3 によるDmc1 フィラメント活性化制御 | ||
| この度は大阪大学女子大学院生優秀研究賞という名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。本賞の推薦および選考にご尽力くださいました関係者の皆様、並びに日々ご指導いただきました篠原先生はじめとする研究室の皆様に心より御礼申し上げます。 有性生殖に必須の特別な細胞分裂である減数分裂において、染色体分配の正確性は、DNA鎖交換反応である相同組換えが相同染色体間で起こることで保証されます。この組換えの異常は、不妊や流産、ダウン症などの原因につながります。博士前期課程では、Mei5-Sae3複合体という、減数分裂特異的なリコンビナーゼDmc1のDNAへの集合を促進する因子について機能解析を行ってきました。その結果、同複合体がさらにDmc1の組換え活性を促進する機能を持つことを、生体内で初めて直接的に示唆しました。今後は、この複合体の作用機序を明らかにするとともに、相同染色体を選んで組換えが起こるメカニズムの全貌を明らかにすることに挑戦したいと考えています。博士後期課程に進学後も、本受賞を励みに、より一層研究に精励してまいります。 |
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| 豊田 佳世 TOYOTA Kayo
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医学系研究科 保健学専攻 | 博士後期課程1年 |
| 地域在住高齢者における薬剤処方実態と腎機能低下の関連 | ||
| この度は名誉ある賞を賜り幸甚に存じます。ご推薦ならびにご選出いただきました関係者の皆様に心より感謝申し上げます。また、日頃より温かくご指導いただいております神出計教授をはじめとする先生方、研究室の皆様方、そして共同研究者の皆様方に深謝の意を表します。 私は、地域在住高齢者における薬剤処方実態と腎機能低下の年齢別の関連について研究を進めております。高齢者は複数の疾患を併存しやすく、その治療のために多数の薬剤を服用(多剤併用)する状況に至りやすい傾向にあります。多剤併用は転倒や認知機能低下等の発生リスクであるとされていますが、本研究により服薬数及び服用薬剤による高齢者の腎機能への影響が年齢ごとに異なることを明らかにしました。 今後は、地域保健医療の連携体制強化や健康寿命延伸に向けた医療・保健事業の展開の一助となるよう、社会実装の観点からも研究を深めたいと考えております。この度の受賞を励みに、学術研究と現場実践を繋ぐ人材となることを目指して博士後期課程も一層精進してまいります。 |
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| 楊 詩韵 YANG Shiyun
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医学系研究科 保健学専攻 | 博士後期課程1年 |
| 認知症者に対する新睡眠指標の開発 | ||
| このたびは、大阪大学女子大学院生優秀研究賞という名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じる。本研究がこのような形で評価されたことを、大変ありがたく受け止めている。本研究の遂行にあたり、日頃より丁寧なご指導を賜った竹屋泰教授、山川みやえ准教授をはじめ、研究活動を支えてくださった研究室の皆様に心より感謝申し上げる。 本研究では、軽度認知障害および早期認知症を対象に、在宅で取得された長期睡眠データを用い、睡眠分断を単一指標ではなく多面的な構造として捉えることを目的とした。従来の評価では十分に明らかにされてこなかった睡眠の質的特徴に着目し、その構造的把握を試みた点に本研究の意義があると考えている。 本受賞を励みに、博士後期課程においても研究をさらに発展させ、指標の精度の向上と臨床応用への展開を通じて、高齢者の生活の質向上および認知症予防に寄与することを目指していきたい。 |
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| 緒方 あすか OGATA Asuka
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医学系研究科 保健学専攻 | 博士後期課程1年 |
| α-galエピトープワクチンによる膵がん免疫療法の基礎的検討 | ||
| このたびは、大阪大学女子大学院生優秀研究賞という名誉ある賞を賜り、大変光栄に思います。日頃からご指導いただいている三善英知教授、近藤純平准教授をはじめ、三善研究室の皆様、また共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。 私は、難治性がんである膵がんに対する新たなワクチン免疫療法の開発に取り組んでいます。本研究で用いるワクチンには、ヒトが本来持たない糖鎖抗原をアジュバントとして組み込んでおり、より高い免疫原性が得られることが期待されます。今後はワクチンの有用性を実証するとともに、このプラットフォームを用いて他のがん種に対する免疫療法の開発へと展開していきたいと考えています。博士後期課程進学後はワクチン研究だけでなく、糖鎖に着目したバイオマーカーの開発にも挑戦し、治療だけでなく診断の面からも医療に貢献できる女性研究者として成長できるよう、より一層精進してまいります。 |
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| 辻本 愛実 TSUJIMOTO Manami
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医学系研究科 保健学専攻 | 博士後期課程1年 |
| MiR-491-3pは大腸癌の幹細胞性を抑制する | ||
| この度は、大阪大学女子大学院生優秀研究賞という名誉ある賞を賜り、誠に光栄に存じます。本賞の推薦およびご選出に携わってくださった関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。また、日頃よりご指導頂いている山本浩文教授をはじめとする研究室の皆様に深く感謝申し上げます。 現在、がんの再発や転移の原因と考えられているがん幹細胞 (CSC) の研究を進めております。CSCはcell cycleの状態から活動期と静止期に区分され、従来の抗がん剤治療は活動期CSCにアプローチするためのものであり、静止期CSCを死滅させることができません。そこで静止期CSCを活動期に移行させることができれば、抗がん剤感受性が高まり新規治療法の確立にも繋げられるのではないかと考えています。博士後期課程進学後は今までの経験を活かし更なるCSCの研究を進めて行くとともに、ドライ実験の知識も習得し社会貢献のできる研究者へと成長できるように日々精進してまいります。 |
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| 植松 紗希 UEMATSU Saki
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医学系研究科 医学専攻 | 博士課程1年 |
| ヒトiPS細胞及び肝オルガノイドにおける分泌タンパク質標識系の構築 | ||
| この度は、「大阪大学女子大学院生優秀研究賞」という名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。本賞の推薦および選出に携わった関係者の皆様に心より御礼申し上げます。また、本研究を進めるにあたりご指導ご鞭撻いただいた武部貴則 教授、松井理司 助教をはじめとする研究室の皆様、そして研究生活を支えてくれた家族に心より感謝申し上げます。 細胞から分泌される因子の一部は、様々な臓器に対し抗炎症作用や抗老化作用をもたらすことが報告されています。しかし、これらの細胞からどのような因子が分泌され、どのような作用をしているか、未だ多くの謎が残っています。本研究では、人工多能性幹細胞 (iPS細胞)に分泌タンパク質標識システムを導入することにより、iPS細胞及びその分化細胞由来の分泌タンパク質を標識可能な系を構築しました。これにより、その標識を指標に、どの分泌タンパク質がどの臓器に作用しているかを網羅的に追跡することが可能になると考えています。 本受賞を励みに、博士課程でも研究に邁進し、iPS細胞を基盤とした再生医療研究の発展に貢献できるよう努めてまいります。 |
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| 金 南希 JIN Nanxi
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医学系研究科 医学専攻 | 博士課程1年 |
| Randomized Basket Trials with Mantel-Haenszel Odds Ratio (MH-OR): Model Selection via Generalized Information-Criterion (GIC) | ||
| このたびは大阪大学女子大学院生優秀研究賞を賜り、大変光栄に存じます。日頃よりご指導を賜っている服部聡教授をはじめ、研究室の皆様、ならびに日々支えてくださる関係者の皆様に心より感謝申し上げます。 私は、複数のサブグループを対象として少数例ずつ評価を行うバスケット試験において、各サブグループの治療効果の類似性をどのように適切に判定し、情報を統合するかという課題に取り組んでいます。現在は、Mantel–Haenszel型の共通オッズ比に基づき、一般化情報量規準(GIC)を用いて適切な統合構造を選択する頻度論的手法の検討を進めています。この研究を通じて、限られた症例数の下でも、より妥当で解釈しやすい治療効果評価に貢献できる方法論を提示したいと考えています。今回の受賞を励みに、理論面と実用面の双方から研究をさらに発展させ、将来的には臨床試験デザインおよび医薬品開発に貢献できる研究者を目指して精進してまいります。 |
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| 岩森 歌奈子 IWAMORI Kanako
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薬学研究科 医療薬学専攻 | 博士課程1年 |
| 間葉系前駆細胞の脂肪分化制御機構 | ||
| この度は、大阪大学女子大学院生優秀研究賞という名誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。本賞への推薦ならびに選出にあたりご尽力くださった皆様に、心より御礼申し上げます。また、日頃よりご指導いただいている深田宗一朗教授、久保純助教をはじめ、研究室の皆様に深く感謝申し上げます。 骨格筋は、運動やエネルギー代謝を担い、生命活動を支える重要な臓器です。一方で、筋組織内における脂肪化や線維化は筋機能の低下を引き起こし、さまざまな疾患の病態形成に関与します。骨格筋内に存在する間葉系前駆細胞は、脂肪化/線維化の原因細胞であることが示されています。私は、これらの細胞の脂肪分化に着目し、工学的アプローチという新たな視点も取り入れながら、その分化制御メカニズムの解明に取り組んでまいりました。 本受賞を励みに、今後も研究を一層発展させ、社会に貢献できる成果の創出を目指して精進してまいります。 |
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| 森本 もえ MORIMOTO Moe
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工学研究科 応用化学専攻 | 博士後期課程1年 |
| β-ケトアミドのイソシアネートの脱離を経るアリール化およびα-アミノケトンの末端置換基交換反応 | ||
| この度は、このような栄えある賞を賜り、大変光栄に存じます。日頃よりご指導いただいております鳶巣守教授をはじめ、鳶巣研究室の皆様、ならびに日々の研究活動を支えてくださっているすべての方々に心より感謝申し上げます。 私は、アミド化合物を対象とした新しい反応の開発に取り組んでおります。アミドは、医薬品や機能性材料などに広く含まれる重要な構造であり、その一部を選択的に変換することが可能になれば、複雑な分子を効率的に設計・合成するための新たな手法につながります。このような分子編集技術は、創薬や材料化学の分野においても幅広い応用が期待され、新しい分子設計の可能性を広げるものです。今後は、研究としての学術的な面白さを大切にしながら、将来的には社会に役立つ成果へと発展させていきたいと考えております。 今回の受賞を励みに、博士後期課程においてもより一層研鑽を積み、研究活動に邁進してまいります。 |
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| 杜 昊聡 DU Haocong
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工学研究科 生物工学専攻 | 博士後期課程1年 |
| オオミジンコにおける性決定遺伝子の制御因子の解析 | ||
| 本研究では、食物網において重要な役割を担うオオミジンコを対象に、環境応答に基づく性決定および増殖制御の分子機構の解明を目的として研究を行いました。特に、性決定遺伝子dsx1の発現制御に着目し、RNA-seq解析を通じて初期胚における性差発現遺伝子を同定するとともに、候補遺伝子の機能解析により、その上流制御機構の一端を明らかにしました。本研究は、環境変化が個体の発生および集団動態にどのように影響を及ぼすかを理解する上で重要な知見を提供するものです。さらに、環境応答遺伝子を指標とした新たなバイオセンシング技術への応用も期待されます。本賞を賜りましたことを大変光栄に思うとともに、ご指導いただいた渡邉先生をはじめ、研究室の皆様に深く感謝申し上げます。今後は、本研究を発展させ、環境と生物応答の関係を統合的に理解し、社会に貢献できる研究を推進してまいります。 | ||
| WURIGA
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工学研究科 環境エネルギー工学専攻 | 博士後期課程1年 |
| 大気-海洋モデルを用いた閉鎖性海域における環境動態解析 | ||
| この度は、大阪大学女子大学院生優秀研究賞という栄誉ある賞を頂戴し、誠に光栄に存じます。これまでの研究成果をこのような形で評価いただき、大変嬉しく思います。ご指導頂きました嶋寺光教授、松尾智仁助教をはじめ、日頃よりお世話になっている研究室の皆様に心より感謝申し上げます。 私の研究は、閉鎖性海域、とくに閉鎖度指標が高い瀬戸内海において、栄養塩濃度の低下に伴い水産資源が減少し、漁獲量の低下などの影響が生じている問題に対し、生態系の健全性を維持するために必要な栄養塩供給量を明らかにすることを目的とし、数値シミュレーションによる評価に取り組んできました。博士後期課程においても、これまでの研究をさらに発展させ、閉鎖性海域における栄養塩動態の解明と、科学的根拠に基づく管理手法の構築に取り組むとともに、これらの知見を実際の海域環境管理へと応用し、水産資源の回復や持続的利用に貢献したいと考えております。 今回の受賞を励みに、今後も一層研究に精進してまいります。 |
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| 坂本 紀乃香 SAKAMOTO Nonoka
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基礎工学研究科 物質創成専攻 | 博士後期課程1年 |
| 高エネルギー電子分光によるAl-Pd-Ru準結晶の元素別電子構造の解明 | ||
| この度は、このような名誉ある賞を賜り大変光栄に存じます。ご推薦・ご選出いただいた関係者の皆様、日頃よりご指導いただいている関山明教授をはじめとした研究室の皆様、また共同研究者の皆様に心より感謝申し上げます。 熱電材料は冷却素子として利用されている他、環境にやさしい新たな発電方法として注目されています。その中で私は、新規熱電材料となる可能性がある、アルミニウム系準結晶の電子構造研究に取り組んでいます。熱電性能は物質の電子構造に依存するため、電子構造を明らかにし制御することが重要です。しかし準結晶は通常の結晶では許されない回転対称性を持つ物質で、周期性を持たないため理論的に電子構造を調べることが困難です。そこで、電子分光を用いて実験的にその電子構造を明らかにし、熱処理による熱電性能向上の起源を明らかにしました。今回の受賞を励みに、より一層研究活動に邁進いたします。 |
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| 寺田 莉々子 TERADA Ririko
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基礎工学研究科 物質創成専攻 | 博士後期課程1年 |
| 新規硫酸化多糖ゲルの開発とバイオメディカル応用に関する研究 | ||
| この度は、大阪大学女子大学院生優秀研究賞という栄えある賞をいただき、誠に光栄です。推薦してくださった関係者の皆様、また、ご指導賜りました境慎司教授をはじめ、研究室の皆様、家族や友人に心より感謝申し上げます。 私はこれまで、創傷や虚血性疾患の治療を目指し、硫酸化多糖類の生理活性に着目した血管を誘導する材料の開発に取り組んでまいりました。博士前期過程では、開発した材料が血管新生および創傷治癒に有効であることを実証しました。 私が研究に熱中できたのは、目標に対し誠実かつ貪欲に突き進む周囲の方々に恵まれ、日常的に刺激を受けられる環境があったからこそです。本受賞を糧に、博士後期課程進学後も自身の研究を深化させるとともに、私自身が周囲に良い影響を与えられるよう、一層精進してまいります。 |
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| 喬 紅銀 QIAO Hongyin
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情報科学研究科 マルチメディア工学専攻 | 博士後期課程1年 |
| 産業行動認識のための骨格データから IMU データへのクロスモーダル知識転移 | ||
| この度は、大阪大学女性優秀研究者賞をいただき、大変光栄に存じます。私の研究は、ウェアラブルセンサと人工知能を組み合わせることで、工場や建設現場などの産業現場における作業者の行動を、高度かつ安価に認識・支援する技術の開発を目的としています。 本研究では、カメラを用いた高精度な骨格推定モデルの「知識」を、現場で普及している小型慣性センサモデルへと効果的に転移させる新しい枠組みを提案しました。この技術により、プライバシーを保護しつつ、過酷な環境下でも作業者の安全確保や生産性向上を支援することが可能になります。 情報科学、特にユビキタス計算の分野において、女性研究者の視点は、技術をより身近で優しいものにするために不可欠だと信じています。今後は、複雑な社会課題を技術の力で解決できる研究者として、日本、そして世界の科学技術の発展に寄与していきたいと考えています。また、後輩となる女性研究者たちにとって、一つの道標となれるよう、今後も粘り強く挑戦を続けていく所存です。 |
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| 兼光 利彩子 KANEMITSU Risako
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生命機能研究科 生命機能専攻 | 5年一貫制博士課程3年次 |
| 肝臓マクロファージによる統合的生体防御機構の解明 | ||
| この度は、女子大学院生優秀研究賞という栄誉ある賞を賜り、大変光栄に存じます。 このように評価していただけたのは、御指導・御助言を賜りました石井先生、宮本先生をはじめ、日頃よりサポートいただいている研究室の皆様方のおかげであり、心より感謝申し上げます。 肝臓は門脈という血管を介して腸管と直接つながる臓器であるため、日常的に多種多様な腸管由来異物にさらされています。これに対し、肝臓常在マクロファージによる異物処理の機構については広く研究されてきましたが、膨大かつ多様な腸管由来異物をマクロファージ単独で処理しきれるのかという点には、未だ不明な部分が残されています。そこで本研究では、マクロファージに加え、他の免疫応答機構が働いたより強固な防御システムが構築されている可能性について検討してきました。 これまでの研究活動を評価していただけたことに感慨を覚えるとともに、本受賞は今後の研究活動への大きな励みと自信になりました。博士後期課程においても、さらなる発展を目指しより一層研究に邁進してまいります。 |
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| 鎌田 菜々美 KAMATA Nanami
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生命機能研究科 生命機能専攻 | 5年一貫制博士課程3年次 |
| 非結核性抗酸菌を特異的に認識するヒトT細胞の発見 | ||
| この度は大阪大学女子大学院生優秀研究賞を賜り、大変光栄に存じます。日頃よりご指導・ご支援くださっている研究室の皆様、本賞への推薦ならびに選出くださった関係者の皆様に心より感謝申し上げます。 本研究は、非結核性抗酸菌症という近年増加傾向にある感染症に注目し、原因菌である非結核性抗酸菌に特異的に反応するT細胞サブセットを同定しました。今後はこの特異的なT細胞の機能解析、さらには治療への応用を目指して取り組んで参りたいと思います。 このたび、このような賞を賜る機会から、自分を信じて支えてくれている家族だけでなく、同じ志を持つ仲間の存在、そして応援してくださる方々の存在を知り、一人ではないと安心しました。この受賞を励みに、今後も初心を忘れず精進して参ります。 |
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| SAIHAN
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連合小児発達学研究科 小児発達学専攻 | 博士後期課程1年 |
| 低周波振幅指標に基づく全般性不安症患者の安静時機能的MRI研究 | ||
| 本賞を賜り、大変光栄に存じます。 ご支援くださった先生方ならびに関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。 私の研究は、全般性不安症(GAD)における脳機能ネットワークの特徴を明らかにし、その神経基盤を理解することを目的としています。不安症は多くの人々の生活の質に大きな影響を及ぼす精神疾患である一方で、その神経生物学的メカニズムには未解明な点が多く残されています。今後は脳画像解析などの神経科学的方法を用いて、不安症状に関連する脳ネットワークの特徴をより詳細に解明し、客観的な評価指標の確立や個別化された支援・治療方法の発展に貢献したいと考えています。本受賞を励みに、社会的意義の高い研究成果を目指し、今後も研究活動に一層努力してまいります。 |
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